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HOW TO 2026.08.07 by ATHENA

ノンニコチンシーシャの製法と安全性について函館アテナが解説

ノンニコチンシーシャの製法と安全性について函館アテナが解説

ノンニコチンのシーシャについて、お客様から二つの質問をよくいただきます。

「これ、何でできてるんですか?」と、「じゃあ体に悪くないんですか?」

前者には気持ちよく答えられます。後者は、正直に答えると当店にとって都合が悪い部分もあります。それでも両方とも、きちんと書きます。売り手が説明を濁す商品を、安心して吸えるはずがないと思うからです。

第1部:ノンニコチンはどう作られるのか

そもそも煙は何でできているのか

最初に押さえておくべき事実があります。シーシャの煙の主成分は、タバコの葉ではありません。グリセリン(植物由来の保湿成分)の蒸気です。

炭の熱でフレーバーが温められると、染み込ませてあるグリセリンが気化して白い煙になり、そこに香料の香りが乗って出てきます。つまり「煙を出す」という仕事にタバコ葉は必須ではない——これがノンニコチンが成立する原理です。

タバコ葉が担っているのは「香りを保持するスポンジ」と「キック(ニコチン)」の2つ。前者は他の植物でも代用できます。

製造工程:ニコチンありとの違いは1工程だけ

PRODUCTION 製造工程の比較 ニコチンあり(タバコ葉) タバコ葉 バージニア等 洗浄 ニコチンを低減 含浸 グリセリン・糖蜜・香料 熟成 なじませる 充填 ノンニコチン(植物ベース) 植物素材 サトウキビ・果実・茶葉 洗浄は不要 元からニコチンが無い 含浸 グリセリン・糖蜜・香料 熟成 充填 違いは「素材」と「洗浄工程の有無」だけ。煙を作る仕組み(グリセリンの気化)は同一です
だから煙量も香りも、ニコチンありとほとんど変わりません

工程①:ベース素材を選ぶ

サトウキビ(の葉や搾りかす)、ドライフルーツ、茶葉。この3つが主流です。素材によって仕上がりが大きく変わります。

  • サトウキビ:シロップを多く抱えられるので甘く、立ち上がりが速い。Hydro Herbal(米)、Soex・Sophies(印)など
  • フルーツ:味の再現度が高く、煙が濃厚。喉に引っかかりにくい。DeCloud、旬(SHUN)など
  • 茶葉:香ばしさと自然な甘み。後半まで香りが残る

工程②:下処理(乾燥・カット)

素材を乾燥させ、シロップが均一に染み込む粒度にカットします。ここで粒が粗すぎると味にムラが出て、細かすぎると熱で焦げやすくなります。地味ですが品質を左右する工程です。

工程③:洗浄 ── ノンニコチンには存在しない

タバコ葉を使う製品では、ここで葉を洗ってニコチン量を落とします(ブロンドリーフが軽いのはこの工程のおかげです)。ノンニコチンはそもそもニコチンを含まないので、この工程自体がありません。

工程④:含浸 ── ここが味の本体

ベース素材に、グリセリン・糖蜜(モラセス)・香料を配合したシロップを染み込ませます。この配合比が各メーカーの個性そのものです。

  • グリセリンが多い=煙が濃い。ただし多すぎると重く、立ち上がりが遅い
  • 糖蜜が多い=甘く濃厚。ただし焦げやすい
  • 香料の質=再現度。安い香料は「人工的な後味」として出ます

工程⑤:熟成・充填

シロップを素材全体になじませてから、缶やパックに充填します。開封直後よりも、少し置いたほうが味がまとまる銘柄もあります。

結果:ノンニコチンは「熱に弱い」

この製法から必然的に導かれる特性があります。ノンニコチンは、タバコ葉の製品より熱に弱い。

タバコ葉には繊維としての強さがありますが、果実や茶葉のベースは糖分とシロップの比率が高く、熱を入れすぎるとすぐに焦げます。だから当店では、ノンニコチンは炭2個から・HMD必須・フチから5mm下げるという作り分けをしています。詳しくはノンニコチンフレーバー解説にまとめてあります。

第2部:安全性について、正直に

ここからが本題です。結論から言うと、「ノンニコチン=体に無害」は誤りです。

減るものと、減らないもの

WHAT ACTUALLY CHANGES ノンニコチンに替えると、何が変わるのか 減るもの ニコチン =依存性のリスクが無くなる キックによるクラクラ感 =気分が悪くなりにくい 減らないもの 一酸化炭素(CO) 主な発生源は炭。葉を変えても変わらない 多環芳香族炭化水素(PAH) 揮発性アルデヒド類 タール 出典:Shihadeh A ら(2012)タバコ葉製品とタバコ不使用製品のクロスオーバー試験
「ニコチンだけが減る」——これが研究が示した結論です

根拠となる研究

Shihadeh らのクロスオーバー試験(同じ被験者にタバコ葉の製品とタバコ不使用の製品を両方吸わせて比較する設計)では、一酸化炭素・一酸化窒素・PAH・揮発性アルデヒド・タール・ニコチンの収量を測定しています。

結果、有意な差が出たのはニコチンだけでした。タバコ不使用の製品でも、PAH・アルデヒド・CO・NO・タールの収量は減っていませんでした。

別の研究(Hammal ら)では、ハーバル系製品に含まれる有害な微量金属やPAHが紙巻タバコと同等かそれ以上で、主流煙・副流煙の発がん性物質も同等以上だったと報告されています。論文の結論は明確で、「ハーバル製品は健康的な代替品だという宣伝内容と矛盾する」と書かれています。

なぜ減らないのか──理由はシンプルです

有害物質の多くは「燃えている炭」「加熱されたグリセリン・糖分」から出ています。ベース素材をタバコ葉から植物に替えても、上に乗せる炭は同じですし、シロップを高温で熱する構造も同じ。だからCOもアルデヒドも減りようがありません。

それでもノンニコチンに価値がある理由

ここまで読むと「じゃあ意味がないのか」と思われるかもしれませんが、そうではありません。ノンニコチンには、はっきりした4つの価値があります。

1. ニコチン依存のリスクが無い

これが最大です。水パイプのニコチン吸収量は紙巻タバコと同等という研究があり、「シーシャは依存しない」は誤りです。その依存経路を丸ごと断てるのはノンニコチンだけ。

2. 具合が悪くなりにくい

「シーシャで気持ち悪くなった」経験の多くはニコチン由来です。空腹時や慣れていない方ほど出やすい。ノンニコチンならこのリスクは大きく下がります。

3. タバコを吸わない人が同席できる

日本のシーシャ利用者は6割以上が普段タバコを吸わない人です。「私は吸わないから」で断られていた場が、ノンニコチンによって成立するようになりました。

4. 長時間でも蓄積しない

ニコチンありは後半になるほどキックが積み上がりますが、ノンニコチンはその蓄積がありません。長く座る夜に向いています。

それでも残るリスクを、どう下げるか

減らないもの(CO・PAH・アルデヒド・タール)については、フレーバーの選択ではなく、環境と使い方でしか下げられません。

  • 換気の効いた店で吸う——COは炭から出ます。狭くて煙が滞留する空間が最も危険です
  • 60〜90分で切り上げる——曝露量はおおむね時間に比例します。はしごをしない
  • 空腹・脱水を避け、水を飲む
  • 頭痛・立ちくらみ・吐き気が出たら中断——ノンニコチンでも起こり得ます。これはCOのサインです
  • マウスピースは個人用のものを使う

数字の根拠を含めた詳しい話は、シーシャって体に悪いの?ガチで論文調べてみたに出典リンク付きでまとめています。

当店の方針

「ノンニコチンだから健康的」という売り方はしません。正しい説明は「ニコチンを摂りたくない方の選択肢」です

ノンニコチンでも20歳未満の方のご入店はお断りしています。タバコ葉不使用でも、煙を吸う行為であることに変わりはありません

・妊娠中・授乳中の方、呼吸器・心疾患をお持ちの方はご遠慮いただいています

換気は止めません。炭の管理と換気は、店側にしかできない仕事だと考えています

当店のノンニコチンはフルーツ15種・スパイス/ハーブ4種・スイーツ7種の計26種。「タバコは吸わないけど、あの空間で過ごしたい」という方に、いちばん納得して選んでいただける形で用意しています。

知ったうえで選ぶ。それがいちばん気持ちよく吸える方法だと思っています。函館・大門でお待ちしています。

※本記事は公開されている査読付き論文をもとにした一般的な情報提供であり、医学的な診断・助言ではありません。体調に不安のある方は医療機関にご相談ください。
※20歳未満の喫煙は法律で禁止されています。

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